作品と版画について
作品について

 美しい日本の女性を、ただひたすらに美しく描きたい。そんな思いで描き続けてきました。艶、色香、しなやかさ、儚さ、優しさ、憂い。描いても描いても、描ききれない奥の深さに、もがき苦しみながら
 数年前の作品展で「口づけをしたくなるような絵ですね」と、お年寄りの女性に言われたことがあります。今までで一番嬉しい感想でした。
 「口づけをしたくなるような絵」。そんな絵をこれからも描き続けて行けたらと思っています。
 作品の技法は、6年ほど前からデジタルに変わりました。しかし、あくまでもアナログの感覚にこだわり、紙と筆がペンタブレットに置き換わっただけで、作業も描く心もアナログそのもので描いております。




デジタル版画の価値について

 版画の価値というものは印刷時の機械の性能の高さではありません。作家自身、或いは作家が工房と一緒になって制作されたもので、作家が美術品と承認し、サインと限定番号を入れたその時点で美術品となり価値が発生します。
 その点で家庭用インクジェットや、一般の印刷所やデジタル出力業者で作られたものとの大きな違いがあるのです。アンディー・ウォーホルやジャスパー・ジョーンズ等のシルクスクリーンはT‐シャツのスクリーン・プリントと何ら変わりはありません。
 また、リトグラフはオフセット印刷と基本的に同じ技法で、木にナイフで彫って作っただけの木版の素晴らしさや最近話題の消しゴム版画も立派な版画です。
 要は作家自身の評価、絵柄の美術的価値、版元の信用度、作られた工房の信用、版画の保存耐久性、そして需要と供給のバランスなどが価値を決定する要因であるべきと考えます。

(版画工房アーティー考察・メッセージより)